1972年式フェラーリ・ディーノ246GTをお預かりさせて頂きました。
この度は貴重なお車のディテイリング作業をご依頼頂き誠に有難う御座います。
フェラーリ史上初のミッドシップV型6気筒エンジンを搭載した市販車で、現在のフェラーリのミッドシップV型8気筒エンジンの礎を築いたモデルと言われています。車名はフェラーリ創業者エンツォ・フェラーリ氏の息子から取られたとされています。今回のディーノは初期型の206GTを2400ccにパワーアップさせた後期型のモデルで1972年式となります。新車から50年以上経過されたお車であり、今までにも何度か修復とレストアを繰り返されていると推測されます。市場価値も年々上がっておりむやみやたらに磨いたり・ケミカルを使用する事は危険です。状態を確認しながらあ車全体の美しさを引き上げていきます。
今回の施工内容
・プレミアムボディコーティング
・細部洗浄ディテイリング作業
それでは早速施工に取り掛かって参ります。
まずはボディ状態からチェックしていきます。
非常に綺麗な状態のディーノですが、少し前にレストアされているとは言え塗装表面は薄傷や磨き傷などで塗装が曇っております。
上面は綺麗にされていますが、下回りはシミや汚れの固着が目立ちます。
レンズ類なども傷が多く蓄積されております。
こちらはご依頼者様が気にされていた窓ガラスの傷です。リアはアクリルとなっており、こちらにも傷が確認出来ます。今回こちらの傷も修正を行っていきます。
塗装の厚みを計測してみると800μ~1000μの厚みが表示されます。現代のお車と比べると10倍以上の塗装の厚みが御座います。しかし塗装の厚みが多いからと言ってガンガン塗装を磨いて良いかと言うとそうでもありません。前述した通り年式上、こちらのお車は何度も修理・レストアをされていると推測されるため、いつ・誰が・どのように修理したのが分からないのです。今回のお車も傷がある箇所を見てみると赤色の下地が見える部分が御座います。赤い車両を黄色に塗装したのか、色の止まりが悪い黄色を塗るためにベースに赤を入れたのか(通常は白を入れる事が多い)分かりませんが黄色で800μ~1000μあるのではなくベース色を合わせた塗装の厚みです。以上の事から黄色自体は塗装のとまりが良くないため薄いと推測されます。(現に箇所によっては黄色の奥に赤色が見える)いくら綺麗に磨き上げても下地が出てしまったら元も子もありません。数値だけでなく経験と状態判断でお車をブラッシュアップしていきたいと思います。
まずは洗車から作業スタートです。年式も古いお車ですので水の使用が危険な場合が御座います。通常の水洗い洗車ではなく、弊社が得意とする水無し洗車で傷を付けずにボディ全体をクリーニングしていきます。
隙間などのコンパウンド詰まりや黒ずみなども優しくクリーニングしていきます。
汚れが蓄積されている部分は弱めのクリーナーとソフトブラシで洗浄していきます。
ビフォー
アフター
ビフォー
アフター
細部の汚れも綺麗にリセット完了です。
続いて下回り部分なども丁寧に洗浄を行っていきます。
ビフォー
アフター
下回りのシミや汚れも綺麗に整いました。
続いてトラップ粘土を使用しクレイバー処理を行っていきます。
塗装に無駄に傷が入らないようクレイパッドを使用しボディのザラ付きを取り除いていきます。
下地処理クリーニングが完了しましたら続いて研磨処理を行っていきます。まずはマスキングテープで塗装エッジ面や危険な箇所を養生し保護処理を行っていきます。エッジ部分はより塗装の止まりが悪く危険な箇所なので注意が必要です。
ダクト内部にはブラックパーツが使用されているため、コンパウンド等が飛び散らないようこちらも養生を行います。この年式のお車の場合、レストア方法によってはマスキングテープの糊ですらダメージを与えてしまう場合が御座います。パーツの状態なども見極めながらマスキング処理する事が重要です。
養生が完了しましたら磨き作業を行っていきます。塗装との相性を見ながらバフ・コンパウンドを選定し塗装を磨き上げていきます。
同じミッドシップのエンジンカバー周辺でも塗装状態や箇所に応じてポリッシャーを使い分けながら磨いていきます。
ビフォー
アフター
ビフォー
アフター
洗車傷や磨き傷でくもっていた塗装もくっきりと美しさを取り戻しました。
サイドパネルもライトで1パネルづつ確認しながら磨いていきます。
ビフォー
アフター
丸みを帯びたフェンダー部分も工夫して磨く事で艶っとした印象に変わりました。
普段は目にする事のない下回り部分も綺麗に磨いていきます。
ビフォー
アフター
下回り部分もすっきりとした仕上がりに。
細かな部分はミニポリッシャーで隅々まで磨いていきます。内側の塗装部分や汚れと塗装肌が悪いため、こちらも出来る限り改善を試みます。
ボディが綺麗になってくるとレンズ類のくすみが気になってきます。こちらも改善を行い透明度を高めていきます。
ビフォー
アフター
レンズ類もくもりがなくなり透明度の高い状態にリセット完了です。
ボディの磨き作業が完了しましたら続いて窓ガラスとアクリルの傷抜き作業を行っていきます。
窓ガラス用のコンパウンドとバフでガラスの傷を磨いていきます。ボディ塗装面と窓ガラスの磨きは似ているようで全くアプローチが異なります。熱をかけながら徐々に窓ガラスの傷のエッジ部分を平らになるよう磨いていきます。
リアのアクリルパーツは内側に傷があるようです。こちらも窓ガラスとはまた異なったアプローチでアクリル傷を取り除いていきます。
ビフォー
アフター
目立っていたガラスの傷も綺麗にリセット完了です。アクリル部分はビフォーアフターの写真を撮り忘れてしまいましたが、こちらもかなり改善する事が出来ました。全ての下地処理クリーニング・研磨処理が完了しましたら再度水無し洗車と脱脂を行いここから塗装に合わせたコーティングを行っていきます。
今回のお車の場合はコーティングの保護性能よりも塗装との相性や塗装本来の光沢感を邪魔せず引き立たせるものを選定し保護を行っていきます。
1パネルづつ丁寧にコーティングを塗布していきます。
細かな部分も隅々までコーティングしていきます。
コーティング後はパネルライトを使用しコーティングのムラや拭き残しなどがないか徹底的にチェックを行い仕上げていきます。
最後にお車全体を整えていき完成となります。
仕上がったFerrari Dino246GTがこちらになります。
この度はご依頼誠に有難う御座いました。
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