横浜市内のお客様より新車ポルシェ718ケイマンGT4RSをお預かりさせて頂きました。
こちらのオーナー様からは5台目のご依頼となります。
いつも当店をご愛顧頂き誠に有難う御座います。
718シリーズ最上級グレードGT4RS。
911GT3同様の4リッター水平対向6気筒500psを発揮するGTモデル。
ボディカラーはGTシルバーにヴァイザッハパッケージを装着されております。
ご納車前よりどのような施工を行って行くかご相談を頂き、時間をかけて施工内容をお打合せさせて頂きました。購入したくても条件を満たしたオーナー様のみが手にする事の出来るモデル故、通常であればペイントプロテクションフィルム(PPF)でボディ全体もしくはフロント周りを保護するオーナー様が多いですが、オーナー様の保管状態や使用頻度、仕上がりの美しさなど全てを考慮しながら施工内容をお打合せさせて頂きました。
今回の施工内容
・セラミックコーティング「GTECHNIQクリスタルセラムBLACK」
・マットホイールコーティング
・フロントガラスコーティング
・窓ガラスコーティング
今回のお車に関しては<屋内保管・雨の日には乗らない・乗る頻度も少ない・ツーリングも少ない・美しい仕上がり>上記を踏まえて施工内容を決定しました。今ネットやYoutubeなどを見るとペイントプロテクションフィルム(PPF)が最強のような発信をされているお店をよく見ますが、最強=最善ではないという事です。弊社でもPPF施工は行っており多く実績も御座いますが、全てのお客様にオススメ出来るかと言うとそうでもありません。PPFはコーティングでは守る事の出来ない飛び石傷などから塗装を守る事の出来る現在唯一の方法です(貫通する場合も有り)。しかしフィルムはシミが付きやすかったり、数年後フィルムを剥がす際にクリア塗装が剥がれるリスクもはらんでいます。また細部の美しさや塗装本来の色味を引き出したり、メンテナンス性が良いのは現状コーティングです。ですのでお客様のお車の保管状況やお乗りになる頻度などに応じてオススメの施工内容が変わって参ります。
今回のお車の場合、オーナー様とお打合せを行い<保管もよく乗る回数も少なくツーリング頻度も高くないため飛び石傷が当たるリスクは非常に少ない>そのため今回はPPFは施工せず洗車傷の入りづらいセラミックコーティングで塗装保護を行う内容に決まりました。しかし最後まで悩んだのがカーボンパーツへのPPF施工についてです。カーボンパーツや塗装が劣化しやすく高額なパーツ故、当初はPPF施工を検討しましたがPPFを数年後に剥がす際クリアが浮くリスクや多少の飛び石傷が査定にさほど影響がない事が多いため今回はフィルム施工を見送る事となりました。ペイントプロテクションフィルムは貼ったら終わりではなくコーティングと同様、綺麗に維持するにはメンテナンス・貼り替えが必要な商材です。PPFは通常塗装であれば貼り替えも問題御座いませんがスペシャルモデルやある特定の車種、再塗装パネルの施工には注意が必要です。剥がす際に塗装が浮いてしまっては元も子もありません。PPFを施工する際は車種や状態に合わせてオススメの施工内容をご提案する事が可能です。
それではここから施工に取り掛かって参ます。
まずはボディチェックからスタートです。
ディーラー様でお車をお受け取りになられた後、すぐにご入庫頂きました。
まず初めにすぐ目に付いたのがボンネットフードの磨き傷(バフ目)です。
光が乱反射してギラギラとしております。
その他多用されているカーボンパーツにも同様の磨き傷(バフ目)が確認出来ます。
リアウイングのカーボンパーツにはペーパー目のような傷も確認出来ます。
またGTシルバーのボディ塗装部分にも磨き傷(バフ目)やペーパー目が多く入っており、塗装がくもってしまっている箇所が確認出来ます。
また上記の写真はルーフ塗装部分になりますが塗装がくもってしまっております。
また窓ガラスにもシミの付着や隙間汚れが確認出来ます。
フロントグリルや各部のダクト内部にも汚れが蓄積しているのが確認出来ます。
ドア部分には納車前のプロテクター跡と思われる付着物も確認出来ました。
このようにスペシャルモデルのポルシェであっても、薄傷や修正跡・付着物などが新車でも多くある事がお分かり頂けたかと思います。まずはこれらを除去・修正し本当の新車状態に戻す事からスタートです。
洗車が完了しましたら細部に詰まっている汚れシミをソフトブラシとクリーナーで掻き出しながら、隅々までクリーニングを行っていきます。
細部洗浄が完了しましたら続いて洗車では落とす事の出来ない細部の水シミを酸性クリーナーで分解除去していきます。酸性やアルカリ性のクリーナーはお車の材質によって変色やダメージを起こす事があるため知識・経験を活用し注意を払いながらクリーニングを進めます。
ビフォー
アフター
フロントグリルの開口部など隙間に汚れが溜まっていた箇所も綺麗にリセット出来ました。
ビフォー
アフター
窓ガラスの隙間など細かな隙間も隅々までクリーニング完了です。
ビフォー
アフター
プロテクターフィルムの糊跡も溶剤で綺麗に除去しました。
ビフォー
アフター
ボディ表面だけでなくスポイラーやボディの裏側に付着しているシミまで除去完了です。
下地処理クリーニングが完了しましたら、ここから磨き作業に入っていきます。
磨き作業に備えてマスキングテープで塗装エッジ部分やプラスチックパーツ・ゴムパーツなどを養生し安全かつ的確に磨くための準備を整えます。特に今回のお車はポルシェGTモデルという事もあり未塗装樹脂のエアロパーツが多用されているため、バフが不意に当たって白くなってしまわないよう注意が必要です。
またこのGT4RSはフロントエンブレムが軽量化のためシールとなっております。こちらは念のためマスキングテープの糊でエンブレムシールが剥がれてしまったりしないよう、型紙を置いてその周りをマスキングテープでとめるよう工夫を致しました。
準備が整いましたら、ここから研磨作業に入っていきます。遮光を行い特殊スポットライトを塗装面に当て、通常光では見えないような傷まで的確に把握して改善を行っていきます。
塗装の硬さやバフ目の入り方など確認しながら、ポリッシャー・バフ・コンパウンドの選定を都度行いながら美しい塗装面へと磨き上げていきます。
お預かり時塗装がかなり曇っていたルーフも改善していきます。
バフ目やペーパー目が酷い箇所やボディ形状が湾曲している部分はシングルポリッシャーで磨き上げていきます。ポルシェのような丸みを帯びているデザインのお車の場合、むやみやたらにダブルアクションポリッシャーで磨いてしまうとバフがボディを細かくたたく事になり返って塗装を曇らせる場合があるため注意が必要です。
形状や箇所によってバフの径なども変えながら磨いていきます。
シングルアクションポリッシャーで修正を行った後は、シングルアクションポリッシャーのバフ目を整える仕上げ磨きも丁寧に行っていきます。
下回りや細かな部分も隅々まで丁寧に仕立てていきます。
テールライトなどのレンズ類も仕立てていきます。
磨き終わった塗装面がこちらになります。
ビフォー
アフター
乱反射し全体的に白くボケていたカーボンボンネットもくっきりと美しい状態に整いました。
ビフォー
アフター
その他のカーボンパーツも本来の美しさを取り戻しました。
細部が整うと全体の仕上がりも変わって参ります。
ビフォー
アフター
GTシルバー部分のバフ目やペーパー目も綺麗に修正完了です。
スポットライトの映り込みがよくなったのがお分かり頂けるかと思います。
ビフォー
アフター
塗装が曇っていたルーフ部分も綺麗に修正完了です。比較してみると一目瞭然です。ボディの下地処理クリーニング・研磨処理が完了しましたら、窓ガラスの全面コーティングもご依頼頂いておりますので窓ガラスの下地処理も同様に行っていきます。
マスキングテープを貼り替え、窓ガラスを専用バフとコンパウンドで磨いていきます。ボディ同様、窓ガラスも新車であってもシミや油膜が付着している事は珍しい事ではないため、窓ガラスコーティングに最適な下地へと整えていきます。
今回のGT4RSは窓ガラスも軽量の薄いガラスが使用されています。むやみやたりに磨いてしまうとダメージを与えてしまう場合もありますので、その辺りも考慮しながら慎重に作業を行っていきます。
ビフォー
アフター
窓ガラスも透明感ある美しい状態に仕上がりました。
全ての下地処理施工が完了しましたら、再度洗車を行いお車を綺麗な状態に一旦リセットします。
水気を切り乾燥が完了しましたら、ここからようやくコーティング施工となります。
今回お選び頂いたコーティング剤はセラミックコーティング「GTECHNIQクリスタルセラムBLACK」というヨーロッパのハイエンド市場においても高いシェアと支持を受ける最高峰セラミックコーティングを施していきます。その中でも最上級となるクリスタルセラムBLACKは3層式のプレミアムコーティングであり、世界各国の過酷な環境下においても性能が評価されております。このコーティングは性能が高い反面、施工性が難しいためイギリス本国のGTECHNIQ社から認定を受けた施工店のみが施工を許されております。当店では日本導入初期からメーカー様からオファーを頂き、神奈川県初の認定施工店として認定を受けております。
まずはベースコートとなるGTECHNIQクリスタルセラムULTRAを綺麗に整えた施工面に丁寧に塗布していきます。クリスタルセラムULTARはソフトレイヤー層とハードレイヤー層からなる2層被膜を塗装面に形成するベースコーティング剤です。ソフトレイヤーが塗装の入り込み強固に結合し、その上を硬さ9H以上と言われるハードレイヤー層が塗装表面を強固守ります。このベースコートがしっかりしているためオーナー様から実際「洗車傷が今までのコーティングよりも入りづらい!」とお喜び頂いているポイントです。
しかしこのベースコートは施工が難しく、綺麗に仕上げるには技術と経験が必要です。当店ではコーティング確認用ライトを使用し僅かなコーティングの濃淡まで調整を行い仕上げを行っている為仕上がりがとても良いとお客様よりご評価頂いております。
細かな箇所まで丁寧にコーティングを行い、都度チェックを行いながら慎重に施工を行っていきます。GTECHNIQクリスタルセラムBLACKは一度硬化すると磨き以外では除去出来ないほど強固なコーティング被膜を形成するためです。
ベースコートの施工が完了しましたら一晩乾燥させた後、更にトップコートを重ねていきます。トップコートに使用するのはGTECHNIQ EXOです。ベースコートを保護しながら更に艶感を高めると同時に強力な超撥水性被膜を付与します。この超撥水性被膜は世界でもトップクラスの撥水性能と言われており、強力な撥水がボディ表面の汚れを包み込んで流れ落とします。(セルフクリーニング機能)
トップコートもベースコート同様、確認を行いながら慎重に仕上げを行っていきます。
レンズ類やダクト内の細かな箇所、ドア開口部の内側まで隅々までコーティングを施します。
ボディコーティングが完了しましたら続いてオプションコーティングを行っていきます。
まずはフロントガラスコーティングから行います。高耐久フッ素ハイブリット窓ガラスコーティングを綺麗に整った窓ガラスに刷り込んでいきます。
サイドガラスもドアを開けた隙間部分なども隈なく窓ガラスコーティングを施していきます。
窓ガラスコーティングを行う事で雨天時の視界確保はもちろんですが、窓ガラスへのシミや油膜の固着低減に大変有効です。せっかくボディが綺麗でも窓ガラスが汚くては美観が半減してしまうため、ボディと合わせて施工をオススメ致しております。
窓ガラスのコーティングも完了しましたら最後にマットホイールコーティングを行っていきます。ホイールの奥まで綺麗にクリーニングと脱脂を完了させましたら、耐熱性ホイールコーティング剤をスプレー工法で施工していきます。スプレー工法で施工する事で複雑な形状のホイールでもムラなく隅々までコーティングを行う事が可能です。
ブレーキダストが多く出る輸入車やマット塗装ホイール、ブラック塗装ホイールのお車はブレーキダストがホイールに固着してしまうとメンテナンスが難しい部分が御座います。綺麗な内にホイールコーティングを施しておく事でブレーキダストの固着を低減出来るためオススメです。全ての施工が完了しましたら最後にお車全体を整え完成となります。仕上がったPorsche718Cayman GT4RSがこちらになります。
仕上がったお車を見て「乱反射も無くなり凄い綺麗になった!」と今回もお喜び頂く事が出来ました。5台目のご依頼誠に有難う御座いました。今後とも綺麗が維持出来るようサポートさせて頂きますので引続き宜しくお願い致します。
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