横浜市青葉区のお客様より新型ポルシェ911カレラGTSをお預かりしました。
こちらのオーナー様からは2台目のご依頼となります。
いつも当店をご愛顧頂き誠に有難う御座います。
992型の後期モデルです。グレードはGTS、フロントグリルの形状などが先進的で非常にカッコよいです。お色はストレートグレーネオ。イエローキャリパーのセラミックコンポジットブレーキ(PCCB)他、オプションも多数装着の特別なお車です。
今回はご納車前よりご相談を頂き施工内容をお打合せさせて頂きました。前回はセラミックコーティングで全体を仕上げさせて頂きましたが、今回は飛び石傷から塗装を守るためPPF(ペイントプロテクションフィルム)についても興味をお持ち頂き<フィルムのメリット・デメリット><コーティングのメリット・デメリット>をご説明させて頂きお打合せを進めていきました。
ペイントプロテクションフィルム
<メリット>
コーティングでは守る事の出来ない飛び石傷などからも塗装を守りやすい。フィルムが変わりにダメージを受けてくれるため、フィルムが劣化しても剥がせば綺麗な塗装に戻す事が出来る。
<デメリット>
フィルムはシミが付きやすく多少の黄変も起こします。貼ったら安心ではなく、綺麗に乗っていくためにはコーティング同様メンテナンスが必要です。シミや劣化が酷い場合、フィルムは磨く事が出来ないため貼り換えが必要となります。
セラミックコーティング
<メリット>
下地処理とコーティングの組み合わせによりフィルムよりも塗装本来の色味を美しく表現する事が可能です。特にセラミックコーティングは洗車傷や付着物にも強いため塗装を強固に守り、万が一シミや薄傷が付いてしまっても磨きで美しさを取り戻す事が可能です。
<デメリット>
飛び石傷などが塗装面に当たると塗装がはげてしまう場合があります。塗装は有限なため過度な磨き込みを続けると塗装を薄くしてしまう事も御座います。
<まとめ>
フィルムもコーティングもメンテナンスは欠かせません。どちらにもメリット・デメリットがあるため、どちらが良いかは決める事が出来ません。お客様の優先したい事項や駐車環境・保有年数などによりオススメの施工内容が変わります。ヒアリングを行いお客様一人一人にあった施工プランをご提案する事が可能で御座いますのでお気軽にご相談下さい。
今回の施工内容
・XPELフルプロテクションフィルム(ボディ全体)
・FEYNLAB PPF専用セラミックコーテインング
・ホイールコーティング
・スリックフロントガラスコーティング
・窓ガラス全面コーティング
・内装レザーシートセラミックコーティング
それでは施工に取り掛かって参ります。
まずはボディチェックからスタートです。
納車された翌日すぐにお預かり致しましたが、グレー色で目立たないものの多少の薄傷が確認出来ます。
リアバンパーの一部には磨き傷(バフ目)も確認出来ました。
細かな細部には水シミが固着したような箇所も数か所確認する事が出来ました。
未塗装樹脂部分は納車前仕上げ磨き時にバフを当ててしまったのか、白化してしまっております。このように新車であっても様々な薄傷や磨き傷、汚れ・付着物等が存在します。これらは洗車だけでは綺麗にする事が出来ないものです。フィルム・コーティングどちらを施工するにしても、まずは下地を整えしっかり綺麗な状態を作り出す事から始めていきます。
まずは洗車を行いボディの隅々までクリーニングを行っていきます。通常塗装・マット塗装・未塗装樹脂など様々な材質のものが使用されておりますのでクリーナーなどで変色等を起こさないか慎重に確認しながら進めていきます。
納車前磨きでコンパウンドが当たって白くなってしまっていた未塗装樹脂部分はマイクロブラシにクリーナーを沁み込ませ、樹脂の目の中の付着物を掻き出すイメージでクリーニングを行っていきます。
ビフォー
アフター
細部に固着していた水シミも問題く除去完了です。(薄傷等はこの後の工程で除去していきます)
ビフォー
アフター
白くなってしまっていた未塗装樹脂も無事に綺麗な状態にリカバリー出来ました。下地処理クリーニングが完了しましたら、続いて磨きの作業に入っていきます。
磨き前にマスキングテープで塗装エッジ面やマット塗装部分などを養生し、安全かつ的確に磨けるよう準備を整えてから作業に入っていきます。
準備が整いましたら、遮光を行い特殊スポットライトで塗装面をしっかり把握しながら磨きを行っていきます。先程確認した洗車傷や薄傷、磨き傷などを除去し、塗装の光沢感を引き出していきます。
職人が状態に合わせてポリッシャー・バフ・コンパウンドなどをその場でセッティングし、1パネルづつ丁寧に磨き上げていきます。
細かなエンジンカバーのグロスパーツも1か所ずつマイクロミニポリッシャーを使用し整えていきます。
ビフォー
アフター
薄傷なども綺麗に整えられ、塗装がすっきりしたのがお分かり頂けるかと思います。
ビフォー
アフター
リアバンパーにあった磨き傷も磨きで整えた事により、光が乱反射しなくなりスッキリ整いました。ボディの磨き作業が完了しましたら、今回窓ガラスも全面コーティングをご依頼頂いておりますので、窓ガラスもボディ同様に下地を整えていきます。
マスキングを窓ガラス磨き用に貼り換え、窓ガラス専用のコンパウンドとバフで磨いていきます。窓ガラスもボディ同様、新車であってもシミや油膜が付いている事は珍しくありません。そのままコーティングしてしまってはコーティングのノリも良くなく見た目も良くありません。しっかりと窓ガラスも下地を整えてあげる事で透明感ある美しい窓ガラスに仕上がり、コーティングのノリもよくなります。
全ての下地処理クリーニング・研磨作業が終りましたら再度洗車を行いお車を綺麗にリセットします。この下地処理をどれだけ丁寧にやるかにより仕上がり・美しさも異なってきます。準備が整いましたら、ここからようやくペイントプロテクションフィルム(PPF)の施工に入っていきます。使用するフィルムはPPFリーディングカンパニーであるアメリカXPEL社のアルティメットプラスを使用し施工を行っていきます。XPEL社のDAP車種専用データカットシステムを使用し、予めフィルムをコンピューターカットし準備を整えます。
施工液をボディとフィルム密着面にしっかりと塗布し、ボディに合わせていきます。この際にボディ形状とフィルム形状を見極め、どこからフィルムを留めて伸ばしていくかフィルムデータ作り手の意図をくみ取りながら施工を進めるのが重要です。
位置を合わせスキージーで施工液をフィルム内から抜き出しながらプロテクションフィルムをボディに密着させていきます。
プロテクションフィルムはフィルムの断面に汚れが付きやすいデメリットもあります。そのため、ルーフなどの平面部分は出来るだけフィルムを巻き込んでであげる事で自然な仕上がりと時間が経過してもフィルム断面が汚れづらくフィルムラインが見えないような仕上げで施工を行っていきます。しかしこのフィルムの巻き込みも全ての箇所で行ってしまうと、その場はよくでもフィルムが浮いてきてしまう箇所が御座います。(プロテクションフィルムは厚みがあり硬いフィルムのため)そのような箇所は巻き込まず、出来るだけボディの繋ぎ目とフィルムのラインを合わせるなどして見た目の工夫も行っていきます。911のルーフ部分はゴムパーツが塗装面にかなり密着しているため、そのままでフィルムを巻き込む事が難しい箇所です。硬紙を使用しボディとゴムパーツの間に隙間を作ってあげ、そこにフィルムを巻き込んでいきます。
準備が整いましたらルーフにフィルムを乗せ、位置を調整しながら施工液を抜いていきます。
施工液を抜き終えたらフィルム端部をカーボンルーフとゴムの隙間に巻き込んでいきます。
細部の処理も丁寧に行っていきます。
他の箇所も1パネルづつ丁寧にフィルムを施工していきます。
細かなパーツも隅々まで保護をしていきます。
今回リアフェンダーの耳部分はデータがなかったため、ワンオフ施工します。まずはマスキングテープで模りをおこないます。
模りしたデータをフィルムに起こしていきます。
データが作成出来ましたら、フィルムを施工していきます。
フィルムの施工が全体完了しましたら、ヒートガンでフィルム端部に熱入れをしフィルムを留めていきます。
コーナーセンサーは後から専用機材を使用しフィルムをカットします。
最後に取り外したエンブレムを定位置に戻せばペイントプロテクションフィルム(PPF)の施工は完了です。
4C Detailの施工はこれでは終わりません。フィルム施工時には大量の施工液と水を使用するため、いくら純水を使用していても所々に水シミが固着します。当店では当たり前の作業ですが、そのような施工時のシミ等の付着物も再度クリーニングを行い綺麗に整えます。この作業はとても重要であり、フィルムが綺麗に出来ていてもその他の箇所が。。。というお車をよく見てきたからです。クリーニングが完了しましたら、ここからオプション施工に取り掛かって参ります。まずはPPF専用セラミックコーティングの施工を行っていきます。使用する液剤はペイントプロテクションフィルム(PPF)専用に開発されたFEYNLAB PPF&VINYLセラミックコーティングを使用します。
PPF専用セラミックコーティングを施工する事でPPFのデメリットである水シミ固着を低減すると同時に、艶感を更に上げ、洗車も楽にする効果を与える事が可能となります。また当店が専用品に拘る理由として、通常のコーティング剤をフィルムに使用してしまうと定着が悪かったり・フィルムにダメージを与えてしまう可能性があるためです。当店ではコーティングする材質に合わせてコーティング剤を使い分けを行っております。
1パネルコーティングが塗布出来ましたら、確認用ライトでコーティングのムラや拭き残しなどがないか徹底的にチェックと仕上げを行います。通常塗装面と異なりフィルム面は磨く事が出来ません。そのためムラや拭き残しがそのまま硬化すると修正する事が出来ないため注意が必要です。
当店の拘りは美しさと仕上がりを高める事にあります。フィルムやコーティングが綺麗な仕上がりだけではなく、コーティングやフィルムが施工出来ない隙間やパーツなどにも気を使い隅々まで整える事を行っております。
細かなパーツも隅々までコーティングを施していきます。
リアスポイラーの隙間などもクリーニングとコーティングを施しております。
ドアを開けた内側部分は通常塗装面ですのでコーティング剤を切り替え、開口部の内側もコーティングで保護していきます。PPFコーティングが完了しましたら、続いて窓ガラスコーティングを行っていきます。
スリックフロントガラスコーティングは特殊ワイパーゴムと専用窓ガラスコーティングを用いる事で超撥水性被膜と非常に高い耐久性を誇る人気のフロントガラスコーティングです。ワイパーゴムも特殊品に交換するため輸入車特有のワイパービビりもかなり低減する事が可能なため輸入車オーナー様に大変好評いただいております。
今回は全面窓ガラスコーティングもご依頼頂いておりますので、全ての窓ガラスにコーティングを施していきます。窓ガラスコーティングを行う事で雨天時の視界確保はもちろんですが、水シミ・ウロコ・油膜の付着を低減出来るためオススメです。いくらボディが綺麗でも窓ガラスが汚くては見た目の美しさが半減してしまうためボディと合わせての施工をオススメいたしております。
続いてホイールコーティングを行っていきます。ホイールも隅々までクリーニングを行った後、耐熱用ホイールコーティング剤をスプレー工法で施工していきます。スプレー工法で施工する事によりホイールの隅々までコーティングを可能とします。また当店はマット塗装ホイールにおいても見た目を変える事無くコーティングが可能です。マット塗装やグロスブラック塗装のホイールはブレーキダストが固着してしまうとリカバリーが難しい塗装です。ホイールが綺麗な内にホイールコーティングを行っておく事でブレーキダストの固着を低減出来るためオススメです。
外装の施工が全て完了しましたら、最後に内装レザーコーティングを行っていきます。外装同様、コーティング前にクリーニングとレザーの下地を整えることから行っていきます。まずは掃除機で車内の塵や埃などを除去していきます。
続いて車内専用クリーナーと綺麗なタオルでレザー表面など車内を丸ごとクリーニングしていきます。新車でも実はシートなどが汚れている事は珍しくありません。外装同様、内装もコーティング前にしっかりクリーニングを行う事が重要です。
ここからレザーセラミックコーティングを行っていきます。こちらもレザー専用品を使用します。
レザーコーティングもコーティングムラや拭き残しが出てしまうと修正する事が出来ない施工箇所です。当店ではプロがしっかり確認を行いながら施工をするので安心してください。
ハンドルやドアトリムなど手が触れやすい箇所は全体的にコーティングを施していきます。当店のレザーコーティングは見た目や質感をほとんど変える事無くコーティングする事が可能です。コーティングして艶々になってしまったり、ツルツル滑って運転しにくいという事も御座いません。
室内に関しましてはいかにコーティング効果を発揮させながら、自然な風合いに仕上げるかが技術となります。これでようやく全ての施工が完了しました。最後にお車全体を再度チェックを行い、内窓や細かな箇所まで丁寧に仕立てたら完成となります。仕上がったPorsche911Carrera GTS(992.2)がこちらになります。
非常に美しく仕上がったのではないでしょうか。
仕上がったお車を見てオーナー様にもお喜び頂く事が出来ました。
この度は多岐に渡るご依頼誠に有難う御座いました。
フィルム・コーティング施工後のアフターメンテナンスもお任せ下さい。
4C Detail フォーシーディテイル
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